こんにちは。
愛知県の私立中学校や県外難関中学校の受験をお考えの小学生と、そのご家庭をサポートする明倫ゼミナール私立中学受験科です。
中学受験の時事問題対策としての2016年8月の時事は、「リオ五輪」であろうと思います。
「リオ五輪」に関しては、8月4日の「中学受験ブログ」で扱いましたので、今回は、「天皇の生前退位のお考え」について取り上げたいと思います。
日本国憲法では、天皇が政治的な発言をすることを禁じています。
皇位継承については、法律で定められていますから、天皇が「生前退位」について公式に話すことはできません。
そのため、国民に向けて今の気持ちという形で、メッセージを発表されました。
中学受験の社会科では、「日本国憲法」についても学びます。
「国民主権」「内閣」について学ぶときに、「象徴天皇」や「天皇の国事行為」についても学びます。
しかし、「皇位継承や天皇・皇族の身分」などについて定めた『皇室典範』については学びません。
ですから、天皇の「生前退位」が認められていないということを、初めて知ったという受験生もいるかと思います。
「明治天皇」「大正天皇」「昭和天皇」と、天皇が元号で呼ばれるので、崩御(天皇・皇后などがお亡くなりになること)され、元号が変わるまで、天皇の地位にあると、何となく思っていた受験生はいるかもしれませんね。
皇室典範には、『摂政』の設置についての記載があります。
歴史分野で学習した通り、天皇に代わって職務を果たす役割です。
しかし、現在の天皇は、「摂政を置いても、天皇は生涯天皇であることに変わりない」と、摂政を置くことで解決するとは考えておられません。
他に、皇室典範において、「皇位は、男系男子(男性天皇の息子)が継承する」ということになっているので、「皇位継承のできる男子がいない場合」を想定し、女性天皇や女系天皇(女性天皇の子ども)も認めるべきという議論があります。
歴史分野で、「推古天皇」や「元明天皇」など、女性天皇が出てきました。
でも、今の法律では、女性天皇を認めていないのですね。
女系天皇は昔から認められていないようです。
女性天皇は、子どもがいても皇位を継がせていないのです。
やってみよう!
問題
① 皇位継承などについて定めた法律を何というか、〇〇にあてはまる言葉を書きなさい。
〇〇典範
② 日本国憲法において、天皇は、「日本国、日本国民統合」の何とされているか答えなさい。
③ 天皇の行う、形式的・儀礼的行為を何というか答えなさい。
④ ③を行う場合、内閣の何が必要か答えなさい。
⑤ ④にあてはまらないものを次から選びなさい。
ア 国会の召集 イ 内閣総理大臣の任命 ウ 衆議院を解散する エ 法律の公布 オ 最高裁判所長官の指名
答え
① 皇室
② 象徴
③ 国事行為
④ 助言と承認 天皇は政治的権力を持たないので、その行為において内閣が責任を持つ。
⑤ オ 国会の召集や衆議院の解散の実質的権限は内閣にある。