こんにちは。
明倫ゼミナール私立中学受験科です。
10月31日にオーストラリアがTPPに関して、国内で最終的に承認手続きが終わり、
TPP参加署名をした11か国中、6か国の承認が得られました。
このことで、12月30日に発効(実際に効力を持つ)することになりました。
TPP参加11か国の国内総生産(GDP)は、世界の約13%を占めます。
貿易額は約15%にもなります。
TPP(環太平洋経済連携協定)は、参加国間での貿易の自由化を進めるための取り組みです。
輸入品にかける税金である関税の撤廃をめざしています。
他にも、人やお金の自由な移動や知的財産権の保護などのルールも定めています。
TPP参加に署名している国は、日本・カナダ・ニュージーランド・メキシコ・シンガポール・
オーストラリア・ペルー・チリ・ブルネイ・マレーシア・ベトナムの11か国です。
このうち、6か国で国内の承認が得られれば、発効できるというルールになっていました。
そして、日本・カナダ・ニュージーランド・メキシコ・シンガポール・オーストラリアの
6か国が国内の承認を得たので、12月30日に発効することが決まったのです。
アメリカも署名していたのですが、トランプ大統領が、TPP参加は「アメリカ産業を衰退させ、
雇用を奪う」として離脱しました。
このように自国の利益を守るために、貿易に制限を加えようとすることを保護主義と言います。
関税撤廃をめざしたTPPに参加するということは、参加国から製品や農畜産物などを安く買うことができます。
また、日本製品を参加国に安く売ることができるので、輸出拡大が期待できます。
たとえば、日本は、オーストラリア産牛肉に30%近い関税をかけていますが、16年後には9%に下がります。
カナダへ輸出されている日本車は約6%の関税がかけられていますが、5年後には撤廃されます。
しかし、参加国から安い製品や農畜産物が入ってくるので、競争が激しくなります。
特に日本の農業が打撃を受けるのではないかと心配されています。
先の例で言えば、今でも国内で生産されている牛肉より安いオーストラリア産牛肉が、
大幅に安くなるからです。
日本政府は、農業などの国内産業を保護するために、関税撤廃を認めない品目を確保するということもしています。
やってみよう!
1 輸入品にかける税金のことを何と言うか漢字2字で答えなさい。
2 1などの規制がない貿易を何と言うか漢字4字で答えなさい。
3 2の貿易に対して、国家が規制を加える貿易を何と言うか漢字4字で答えなさい。
4 2の貿易をめざし、世界11か国が署名している協定をアルファベット3字で答えなさい。
5 日本とEUとの間でも経済連携協定が結ばれました。それは次のどれか選びなさい。
ア GDP イ ODA ウ NPO エ EPA オ LED
答え
1 関税 2 自由貿易 3 保護貿易 4 TPP 5 エ (消去法でもできますね)